人間の身体に
は、経絡という流れが12あり、そこに経穴(ツボ)が365あると東洋医学では 考えられています。
これを専門的に説明しようとするととんでもなく難しい事になりますので、ごく簡単に分かりやすく説明すると
「血液やリンパ液の流れがあり、それらの流れを促す刺激点(ツボ)がある」という事になるでしょうか。
本来は血液やリンパ液の流れ以外に『気』の流れというものが存在すると考えられていますが、
とにかく身体に必要なものを出したり運んだりする流れがあってそこには沢山のツボがあるというのが基本になります。
そこで、それらのツボをその流れに沿って刺激する事により、
身体に必要なものを
運び、不必要なものを排出し、何処か痛んだ処がないか見回りそれを修復するという、
人間が本来生まれ持っている、自己免疫力や自然治癒力を高める。というのが基本です。
そして、その刺激方法なのですが鍼や灸等と違い、我々は主に掌や指や腕や肘を使って
行います。
特に拘縮した筋肉を揉みほぐす事により、筋肉の伸縮力や弾力性が取り戻され、骨格の位置や関節の可動域が正常になり、
さらに筋肉内に在る血管やリンパ管の流れが促されるので、より元気な
身体になって行くのです。
又、東洋医学の心身一元論(心と身体は密接なものである)に基づき、
「気」
「血」「水」のバランス(神経、感情、免疫、内分泌系、血流、代謝のバランス)を調整し
心を癒し身体を元気にする療法であると言えます。
何処がどうつらい
か?どうな
りたいか?どうしてそうなっ
たのか?
『望聞問切・ぼう
ぶんもんせつ』問診と診たて、結果の確認
当院では、初めておいでになられた方でも、定期的に通われている方でも、施術の最初には必ず問診
をします。
その人のつらいところは何処なのか?いつからなのか?その為にどんな事(治療や養生)をしたのか?
それでどうなったのか?今はどうなりたいのか?
そういった事を出来るだけ詳しくお聞きしたうえで施術をします。
東洋医学に『望聞問
切・ぼうぶんもんせつ』とい
う診断方法があります。
不具合のある人を見て(望)嗅いで(聞)聞いて(問)触って(切)診断する事です。
嗅ぐというのが聞というのもおかしい気がしますが古来中国ではそのような言葉の使い方がされていたのでしょうか?
とにかくそうやって、色んな角度からその方の不具合を知ると
いうのが目的です。
当院でもそのように問診や触診を丁寧に行い、より適格に不具合の原因を突き止めるようにしています。
そのうえで、関節の
可動や筋肉の拘縮具合、骨格の歪
みや血管や神経の圧迫等を可能な限り調べます。
当然、レントゲンやMRI等の医療器機もありませんし医師でもないのですから、
あくまでも自分の経験に基づいたうえでの判断になります。
その為にも『望聞問切・ぼうぶんもんせつ』という西洋医学も解剖学もなかった頃の診断方法がとても大切になるわけです。
場合によっては(疲
弊や損傷が甚大であったり、
内科的起因であると思われた場合等)医師や医療機関での診断治療が必要と思われ、
施術以前にそのような方法をお薦めするケースもありますが、いい加減な判断だけは避けるようにしております。
そして、施術後もそ
の結果を確認し更にそうなっ
た原因を御一緒に考えるようにしています。
というのも、来院される方のほとんどの不具合が生活や仕事のうえでの不摂生や疲労やクセ等から起こるものである事が多い為で、
仮にその時良くなってもそれらの根本的要因をなくさなければ、何度治療
しても元の木阿弥という事になりかねません。
必要であれば通院をお薦めしますし、予防の為の簡単な体操や運動等をお教えさせて頂いております。
どうしてそうなったのか?その事を知って初めて予防が出
来るのです。
具体的な
施術方法
快くほぐす、とにかく気持ちが良い
よく家電店などの
マッサージ機販売コーナーで、
実際にそれに座ってここち良さそうにしてらっしゃる方を見かける事がありますが、
身体がほぐされるとい
うのは本当に気持ちの良いものです。
しかし、機械というものはどんなに精巧に作られていても、百人百様の人間の身体をすべて選別する事は出来ませんし、
何より感情というものがありませんので、本当の心地よさを求める事は出来ません。そればかりか、人によっては痛過ぎたり不快になる場合もあるようです。
『推拿・すいな』による、「ほぐし」は只たんに筋肉や靱帯や腱を手でほぐすとういう事に留まりません。
何故ならその手法には『気』の力が加わるからで
す。
『気』というと又話が難しくなるのですが、我々が患部をもんだり、さすったり、押したりする時、掌の温度は通常より高くなります。
これは単に摩擦や運動による熱の上昇というだけではない何か別の力=『気』が込められるからなのです。
これは実際に体感頂かなければ分からない事ですが、そのようにしてほぐされると、自然と脳はβエンドルフィンというホルモンを分泌するように促されま
す。
又、一時的に自律神
経の副交感神経も優位になり、日々の緊張やストレス
からも解放されます。
この状態は、血液中の白血球が増えNK細胞も増えるという予防医学的なデータもあるようですから
とにかく気持ちが良く様々なからだの不具合に良い影響を与え、病気の予
防にも成り得るという事です。
筋肉というのはある
一定の刺激によってだけ収縮をす
るもので、刺激が強過ぎたり、刺激時間が足りなかったり短か過ぎ
たりしても
本当には『ほぐれる』事にはなりません。よく「揉み返し」とい言葉を聞きますが、これは筋肉への刺激が適当でなかった場合に起こるようです。
逆に「痛きも」というのがありますが、それは、この刺激の微妙な力具合
から生まれる感覚ではないでしょうか。
この適度な刺激を『気』と経験、修練を持って生み出すのが『推拿・すいな』の手法なのです。
当院での施術のほと
んどが、この「ほぐし」によるも
のです。ですから、とても気持ち良く、安心に受けられるはず
です。
筋肉の拘縮具合によっては痛みを伴う場合もあるようですが、収縮力や弾力性が取り戻されるにしたがって痛みは快さに変わっていきます。
骨格は筋肉が支えている
骸骨の標本というの
があります。あれは生き物で
はありませんが、それ自体が「立っている」という事は不可能です。
下から台座で支えられたり、上から吊るされたりして初めて立位でいられるわけです。
つまり、人間の身体も骨格だけで立ったり座ったりという運動をする事は不可能なわけで、それを可能にしているのが、骨格の回りの組織=筋肉や靱帯や腱
です。
腰の曲がったお 爺さんやお婆さんも筋力が低下した為に重力に逆らって立位でいられなくなってい
る場合が多いのです。
よく骨格の歪みが不
具合の原因であるという考えを持
つ方がいますが、何故そのような歪みが起きるかと言うとそれは、
骨格を支えている筋肉にアンバランスが起きているからだ
と言えます。(勿論、交通事故や転倒等の外的要因で起きた場合は除きますが。)
ですから、いくら骨格の歪みを矯正しても回りの組織がアンバランスであ
る限り、又もとに戻ってしまうという事になりかねません。
更にこの筋肉のアンバランスの原因というのも取り除かない限り同じ事になります。
ところが、人間というのは実にそのようなアンバランスが起きやすい動物です。
直立二本足で動くという事事態がそうですし、利腕や利脚があったり、色んなクセがあったり、仕事や生活やスポーツで身体を酷使しがちです。
又、食事や運動の生活習慣やホルモンバランスにも大きく影響されますので、このアンバランスを完全になくすというのは非常に困難なのです。
しかし、このアンバ
ランスが不具合の原因になっているならば、とりあえずそれを取り除かなければなりません。
その為に、先ず、筋肉の収縮や弾力性を取り戻すように充分ほぐし、それで動かしやすくなった骨格を正常に戻すようにするわけです。
この時、骨格の回りの組織が痛んだりしているままですとトラブルの原因になりかねませんので、
ある程度時間(場合によっては期間)をかけて少しずつ戻して行く必要もあるのです。
又、人間には今ある状態を保とうとする、「恒常性機能(ホメオスターシス)」という働きがあって、急な変化をしようとすれば、
ダイエットでいう「リバウンド」のような事態が起きます。それでは、その時良くなっても何にもなりません。
出来れば、細胞の再生期間にあわせてゆっくり元通りになっていくと
いうのが望まし
いでしょう。
バキボキすると気持ちいい?
骨をバキボキすると
気持ちいいと言う人がいま
す。又、逆に怖いという人もいます。
身体にとって良いのか悪いのか?それも問題です。しかし、あのバキボキというのがいったい何なのか理解してない方がほとんどなのではないでしょうか?
あれは、関節内にある滑液というものがはじける音と思ってよいでしょう。
それは関節に正圧がかかっていて、それが負圧に変わる時に発せられます。だから一度やると暫くなりません。
それの善し悪しはここでは問題にはしませんが、いずれにしても関節が充分伸びる(動く)事が出来て始めて起きるわけで、
それを無理にするというのはど
うなのかな?と思います。
ちなみに当院では、
バキボキは無理にしません。
ストレッチ等で自然になるという場合はあります。
『その人にとっての正常な状態』に戻す
骨格の歪みというのは、人間である以上どうしても起きるという事は前述しましたが、
その歪みそのものが不具合(痛みや不快感、運動制限等)の原因である
と
は必ずしも言い難いのではないか?
というのが、これまでの経験から得た一つの答えです。
確かに歪みがあれ
ば、余計アンバランスが起きや
すくなりますしその事によって神経や血管の圧迫が起きやすいという事は理解出来るのですが、
だからといってその事だけで不具合が起きるわけではないし、逆に歪んでいても何の不具合もないという場合が多々ある事を経験上知る事になりました。
不具合を軽減しよう、取り去ろうと、この歪みというものと日々向かい合っているうちにハタと気付く事があるのです。
よく「骨盤が歪んで
いる」と言います。骨盤というの
は腸骨、仙骨、座骨、尾骨、恥骨で形成される腰の骨ですが
この位置関係がずれると、脚の長さがくるったり脊椎(背骨)が歪んだりして様々な不具合が起きるという事が言われたりします。
しかし、実際にそういう方がいて、確かにひどく歪んでいたりするのが確認出来ても必ずしもその人に不具合があるかというと、そうではないという事があ
るのです。
勿論、その歪みが不具合の原因である場合もあるのですが、どうやら全てをその歪みのせいにする訳にはいかないというのが事実のように思えます。
先天的なものであるか、後天的なものであるかを問わずです。
当院では不具合を訴
えられる方に対して、先ず骨
格の歪みを触診や関節の可動域で確認するようにはしていますが、
施術の目的はその歪みを取る事ではなく、あくまでも不具合を軽減し元気になって頂くという事です。
筋肉や骨格のアンバランスが原因ではない不具合に対しても有効な手立てを打たなければなりません。
それではそういう場合の不具合の原因は何か?
これも人それぞれで非常に多くの事を考えなくてはいけないのですが、とにかくその人にとって何らかの異常が起きているのではないか?
だからそれを見つけ、自然に無理なく『その人にとっての正常な状態』に
するというのが最も有効な方法のような気がするのです。
中 国整体アカデミー 吉田整体院